草十郎のいない世界と「Blueray starbow」

そのタイトルや「新生の鼓動よ響け。少女は今、青色(はじまり)の魔法を開く。」というキャッチコピーに表れているように、「魔法使いの夜」は一つの面において、蒼崎青子が魔法を使うまでの物語だと言えるだろう。 九章「蒼崎家の事情」で「使えないし、使…

「魔法使いの夜」アニメ化で考えたこと ゲーム版におけるテキストと画面の矛盾

半年以上前の話になるけれど、「魔法使いの夜」が劇場アニメになることが発表された。これはこの作品にとって初の(本編の)他メディアへの展開となるわけだが、しかし別の見方もできる。というのも奈須きのこがこのゲームの元になった青年時代に書いた小説…

「耳刈ネルリと十一人の一年十一組」と「新橋烏森口青春篇」

2014年11月に開催された「森橋ビンゴ×石川博品フェア」で、これまで影響を受けた人物や作品を問われた石川博品は最も好きな作家である中上健次や好きな作品である『平家物語』と共に椎名誠の名前を挙げている。 ルーツということでいいますと、小学生のとき…

「天久鷹央」シリーズの小鳥遊優に恋人はいたのか?

最近「天久鷹央」シリーズをよく読み返している。 作者である知念実希人が「このキャラクターのモデルは完全にシャーロック・ホームズですね」*1 と言うように、ホームズ役である天久鷹央と、ワトソン役の小鳥遊優が活躍する医療ミステリーで、鷹央の「個性…

私の中にあった大事なもの 「トラフィック・キングダム」と「オズの魔法使い」

「トラフィック・キングダム」は、ペットを共通点の1つとした短編集の表題作で、女子中学生の桐原奈琉が主人公の物語。

「魔法使いの夜」十三章『帰り道』について

本編の実質的な終章である『帰り道』は激しいアクションシーンはないが、各要素に意味を持たせているように感じた。そのことについて「畦道と山道」「月の明かり」「星空」あたりに注目してあれこれ書きたいと思う。